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フラッシュバック











-―-―冷静に考えよう。氷の様な血が体内を駆け巡る、目を瞑って血液の流れる音に耳を傾けた。そう、冷静に考えよう。目を開けて目の前の虚空を睨み据える。もう六日。一向にアホ牛は目を覚ます気配すらみせねぇ
視界いっぱいに、この世のマイナス部分を全て詰め込んだかのような(まるでパンドラの箱だ…ああでもここには一遍の希望も無い)光景が広がっていた。この光景を作り出したのは、俺であって。まあそれはいつものことだ、そんなことはどうだっていい。それが俺の仕事だ。
足元の血だまりにちらりと目をやる。ぼんやりと写りこんだ自分の顔に、らしくないため息をひとつ。
ここ数日、まともに寝ることが出来ない。………悪魔のようなヒットマンが。理由は単純明快、まったくのふざけた理由でだ。
冷静に考えよう。まず冷静に。あのアホ面のヒットマンはいったい俺にとって何なのか。(なんでもない、ただのアホ牛であってただの)
いくら考えてもそれ以上の答えは出てこない。俺にとってまったくの単純明快な答え、ただの俺を追い回してくるうざいむかつくアホ。ああまったくそれだけだ。

眠るのがいやだ、など頭がイカれたとしか思えねぇ(怖いわけじゃねぇ、ただ)。
眠る時に必ず決まった夢を見る、まったく同じ内容ではない。悪夢って訳でもない、この歳になっておばけに追いかけられる夢だのなんだので怖がってもられねぇ(それに、俺にはもともと恐怖という感情が欠落している)。別に怖くて寝れねぇわけじゃない。飛び起きるのだ、いつも。ああ頭悪りぃな、なんだってこの俺が。
日に日にリアルさを増していくその夢、日に日に目の下に出来た隈が濃くなっていく。
…………死ぬのだ
あの憎たらしいアホ面の男が、毎日夢の中で(迷惑な話だ、死ぬのなら他所でやってくれ)。毎日色々な手段で。そしていつも最後は、片目が抉れた顔で俺の方を振り返ってこういうのだ 。
「…………どおしてたすけてくれないの?」
まったくもって馬鹿げた話だ。
そういくら冷静になっても答えはそれしか出てこない。俺個人にとってアホ牛はまったく重要な人物ではない。それどころか居ても居なくてもどうでもいい男だ。 ズキリと左腕が痛みを脳髄に主張する。掠った弾丸のせいだ。(ヘマなんか俺らしくねぇ、馬鹿なのは俺のほーだ)ああ、頭痛てぇ。


プルルル…プルルル…


胸のポケットに入った携帯が味気ない呼び出し音を立てた。無視を決め込んだのに、未だしつこくかかってくる。本日4回目、呼び出し人はボンゴレボス沢田綱吉。ボスからの電話を無視するたぁ、イカれてんな。頭の隅でそう自分が自分を嘲った、イカれてんのは分かっている。ただ、俺の仕事中にツナが電話をかけてくるっていうのは、本当の本当に急用な時のみ。本当に悪い知らせのみ。出ろと脳みそがそう命令を出す、出たくない、とおれの手が拒否する(何故?)
………34回目のコール音


「何だ」
「やっと繋がった、どうして出なかったの」


低く抑えた声で、電話の向こうからでせめられる。
後で何言われるかわかんねぇな、面倒くせぇ。自分が育てた自分のボスを怒らせるとどうなるか、よく身にしみている(これも癪な話だ)


「気付かなかったんだ」
「嘘だね、そんな子供みたいな言い訳通用すると思ってる?」
「………で、何の用だ」


随分イライラしているらしい、俺もツナも。とげとげしい声が電話越しに飛び交った。


「ランボが死んだ訳じゃないから安心してね」
「安心も何も心配なんざハナからしてねぇ」
「あっそ。…………ボヴィーノが襲撃された」


……は?


「ドン・ボヴィーノが重症、一命は取り留めたけど。今ランボが入院してる病院にいるから早く来て」
「………どういうことだ?」
「こっちに来たらちゃんと話すよ、じゃあね」



プツ、ツー…ツー…




またしても味気ない音に神経をかき乱される。
このタイミングでボヴィーノが襲撃?………アホ牛が関係してるとしか思えねぇ。ツナも随分苛立ってたみてーだし。……脳髄の一番端にしまいこんでいた筈のどす黒い感情がまた背骨を這いずり回る。気持ち悪りィ。
立ち上がって、もう一度悪夢のような光景を(世間一般の悪夢はこんなもんだろう、間違っても馬鹿な男が死ぬ夢ではない)見回す。空気を深く吸い込むと濃い血の味がした。見たことも無い、記憶に残ることすらない頭を打ちぬかれた十数人の男達の顔に一瞬、ボンゴレの前に落ちていたアホ牛の面が重なった。
くらり、眩暈がして壁に手を突く。ああ、そうだこんなところでゆっくりしてる場合じゃねぇんだ。とりあえず、ツナのところへ










































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