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[ 03, 過去と原因 ]






1週間とちょっと前。俺は体中が痛くて、失血で目が霞んでそれでも仕事を完遂しようと闇雲に走ったり、銃を撃ったりしていた。あの時点で俺が死ななかったのは、間違いなくリボーンと一緒だったからで、多分あの仕事を俺だけじゃなくてリボーンにも一緒にやらせたのは本当に良い人選だったんだろう(さすがツナさん、でも癪だけど)。
闇に沈んだ、人っ子一人いない路地を俺とリボーンは疾走していた。後ろからは、その闇に溶け込んだ黒ずくめの集団。銃弾が身体を掠めて、それでも目的地まで走ろうと重すぎる足を前に前に動かす。
いくら必死で前に進もうと、景色が一向に流れない。足が前に進むことを嫌がっているように、ガクガクと震えた。リボーンはそんな俺には一目もくれずに俺の先を疾走する。俺はリボーンの足手まといだけはごめんだったから(その時点ですでに足手まといだったんだけど!)必死でその背中を追いかけていた。相変わらず怒声と、銃声が近づいたり遠のいたりする。時折ほんのすぐ傍から銃声、リボーンが走りながら器用に敵を打ち落としていく。
橋に差し掛かったとき、丁度中央。この橋を渡り終えればそれでよかった。任務完遂、それなのに。パシッと乾いた音。みるみるうちに足に血が滲む。遅れて、激痛。顎が石畳にぶつかった。目の前が真っ暗になる、後ろからは怒声。近づいてくる足音、リボーンはもう橋を渡り終えたのかななんて俺は考えていた。考えてみれば、ブツはリボーンが持ってたわけで、俺は置いていかれても殺されてもよかったのか。……だめだ、やばい。
必死で立ち上がって、よろよろと走り出す。目の前に白い靄がかかって、唯一橋の終わりだけが中途半端に見えた。すぐ後ろに怒声。それでも、俺はリボーンの背中を思い描いて走っていた。
"……何やってんだアホ牛"
ふっと目の前に俺よりも少しだけ背の低いボルサリーノの殺し屋が現れた。俺は、よろよろと走っていた足を止め、びっくりしてリボーンの飲み込まれそうな黒すぎる瞳を見つめ返した。その後、チッと舌打ちが聞こえて、俺の血だらけの手を掴む感触。その後、俺は半分引きずられるように(実際引きずられていたかな)リボーンに手を引かれて走り出した。でも、怒声はすぐ背中。パンパンッと短い破裂音がすぐ横に何度も通った。
後少し、橋を渡り終えるところで、パンッと一番大きな銃声。
俺の手を引いていた冷たい手の感触がなくなった。横を一瞬で黒い影が横切る、俺が振り返ると、銃の反動で橋から投げ出されるリボーンが見えた。遅れて、俺のすぐ足先にボルサリーノが落ちた。…状況が飲み込めずに、立ち尽くす俺の耳が捉えたのはボシャンッと何かが水に落ちる音。その後のことははっきりと覚えていない。
俺は、橋の向こうで待っていた仲間に無理やり引っ張られ車に乗せられたらしい。リボーンは投げ出された時に、強く頭をぶつけたらしい。……と、医者が言っていた。


俺は、普通の人間ならまあ記憶喪失っていう事も案外飲み込めるだろうけど。あのリボーンが記憶喪失っていう事が未だに納得できない。やれやれ、俺は現実から目を背けてるだけなんだろうけど!俺は、いつものリボーンなら絶対に俺を見捨てて絶対に先に行ってしまうのに、何故か。リボーンは俺が付いてきていない事を知って、いちいち戻ってきて、そんなこと殺し屋にとっては命取りもいいところなのに。俺たちの仕事で大切な事は、役立たずは捨てる、だから。リボーンが、俺を助けに来るなんて天と地がひっくり返ってもありえないのに。
リボーンは戻ってきた。それで、俺の手を引いてまで走らせ、その上本当なら俺の頭を貫通するはずだった銃弾から庇った。





…だから、リボーンが記憶を失ったのは俺のせいで。





俺は、どうしてあの時リボーンが庇ってくれたのかをどうしても聞きたいから、リボーンの記憶が早く戻って欲しいと願っていた、し。願っても居る。でも、先刻のリボーンが、俺を相手にするから。ランボ、なんてえらく真剣な顔で言うから。
首を強く振る。手にまだ残る、リボーンの冷たい体温。















>>04



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