いえ、俺も多分同じくらいに起きたと思います。…おはようございます沢田さん、つってももう昼ですね。どうかしましたか、すごい顔してます。・・・あ、・・・俺も、見ました。小さい頃の夢。…そうっすね。考えてみたら、ほんとなんか変つうか奇特な始まりっすよね。運命みたいなもんじゃないんですか?…ええ、そうですか?…沢田さんも偶にすげえ恥ずかしい事言いますよ?…いいます、ほんとに。・・・なんか、でも夢、俺もう思い出したくねえなって感じだったんですけど、結構、懐かしかったりしました。変な夢でしたよね、なんか、俺が忘れてた事まで詳しく再現されたって感じです。結構覚えてるもんなんですねー。…傘、っすか。…ああ、なんか覚えてます。俺が孤児院にいた時に差してた奴ですよね。・・・どうしてですか?・・・……、そんな顔って、どんな顔ですか。泣いてるんだか笑ってるんだかわかんねえ顔は、よくやりますよ。沢田さんも。・・・ええ、やります。絶対。
…あ、シャマルの奴からなら、手紙が来てましたよ。言いませんでしたっけ?相変わらず気の抜けた、ふ抜けたむかつく奴っすよね。まあ、上手いこと軍の追っ手を撒いてるみてえな事は書いてました。・・・殺しても死なねえっつうか、ゴキブリみたいな奴ですよね。あいつ。…許してる、んですか。知りませんでした。・・・そうですね。………ッ。してないです。
……ああ、それは多分、…なんでもないです。本当に、やっぱりなんでもないですから。…、俺の個人的な考えですけど。俺達があそこから逃げ出せたのは、むかつくっすけど、シャマルの奴が逃がしたんじゃないですか。…でも、あいつは結局俺達を追ってきたわけで、…やっぱりよくわかんねえっす。忘れてください。
・・・…ああ、何か今異国のどっかで住んでるらしいです。まあ、ひとところに住んでたら、やっぱ見つかるんじゃないっすか?…別の国、ですか。……。旅行は、すげえ楽しそうですけど、…なんか。俺は、やっぱ。・・・、シャマルに計画性なんて無理だと思います。…なんか沢田さんちょっとジジ臭いですよ。・・・俺、そんなジジ臭いっすか?炭酸抜けたほうが、割りとうまいんですよ?というか、そんなにしゅわっとすると痛くないですか?そうですか、やっぱり沢田さんのほうがジジ臭いですよ!…そうですね。
…あ、浴衣なら向こうの部屋の箪笥の三番目直したと思います。…やっぱ、ちょっとジジ臭・・・なんでもないです。しつこい…、沢田さんも偶に、しつこいですよ。あー、多分暗くなってからだから、7時半くらいからじゃないっすか。楽しみですね。…ええ、じゃあもうちょっとだけ、寝ときましょう。
ほらやっぱりしつこいじゃないですか、金魚一匹くらい俺があげましょうっていったじゃないですか。…型抜き…、嫌そうな顔、しました?そんなかんたんなもんじゃねーんですよ、あれ!高等な技術が必要です、型抜きは。・・・絶対、俺おごりじゃないですか。…いや、やっぱ俺がおごります、かき氷。
今度は、俺も変な夢みたくないっす。あ、多分ちょっと寝苦しいからじゃないですか?クーラーいれますね。……、はい。繋ぎましょう。…懐かしいですね。なんか、俺、あの夢みれてよかったような気も、します。


おやすみなさい、沢田さん…つなよし。







Fin.







>>あとがき



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